東日本大震災により亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災されました多くの皆様に心よりお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復旧を心よりお祈り申し上ます。 株式会社寺松商店グループ
禁忌品(きんきひん)
古紙リサイクルをする上で重大な障害を生じるため、古紙の中に絶対混ぜられないものを言います。我々の仕事は古紙の品質を守る為に禁忌品との戦いでもあったりします
紙の種類が沢山あるように、禁忌品も種類が沢山あります。一つづつ重要なものから御紹介しようと思います
さて、一回目は最近業界を悩ませている迷惑度No1の禁忌品「捺染紙(なっせんし)/昇華転写紙」を取り上げます。
ちょっと小難しいですが宜しくお付き合いください
捺染紙(昇華転写紙)とは、昇華(個体が液体にならず気化してしまう現象)型の分散染料を含有したインキで印刷された紙のことで、のぼり旗、横断幕、ユニフォーム、水着、カーテンなどの様々な製品の加工に使われています。一般の御家庭からは雑誌の付録についているアイロンプリント、裁縫用の型紙などがあります。
<昇華転写紙の特徴は、文字が裏文字で、排出時にロールになっているものが多いです>
捺染紙(昇華転写紙)の性質が悪いのは、洗剤や漂白などの現在の技術では完全に取り除く事が出来ず、そのまま原料に使用されると常温で徐々に昇華するため検品や出荷時には問題なくても、数ヵ月後に表面に現われてくる事です
一見したところ普通の紙と何ら変わりがないので、通常の古紙類と混ざってしまうと選別作業は困難を極めますそれ故、捺染紙(昇華転写紙)においては、排出先で一般の古紙に混ざらないように焼却処理(RPF処理含む)することが大事だと言われています。
古紙リサイクルのプロの我々としては、責任を放棄した様で心苦しいんですが、捺染紙/昇華転写紙ばっかりは一般古紙に混ざってしまうと、ホントにどうしようもない代物なんです
何卒諸事情を御理解の上、捺染紙/昇華転写紙の分別への御協力どうぞ宜しくお願い致します。我々も捺染紙/昇華転写紙の混入情報があれば本ブログで情報発信して参ります
参考文献
古紙ハンドブック2010(財団法人古紙再生促進センター、H23.3)
古紙の品質を守るために(財団法人古紙再生促進センター、H21.3)
昇華転写紙~適正処理のためのサンプルキット(財団法人古紙再生促進センター)